どこか遠くで鐘の鳴る音が聞こえた。 ロンドンのテムズ川近く、きらりと光る銀色の懐中時計が打ち上げられている。 人知れず置かれていたその時計をそっと拾い上げる銀髪の少年。
「………」
少年が蓋を開くと、 まるでその日を待っていたかのように、 秒針がゆっくりと刻み始めだした。
その時が 訪れたのだ
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